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【産業動向】中国の300mmファブ、27年に71拠点へ 四大クラスター・主要プロジェクト Anueレポート
2025-11-20 09:53:18
台湾の金融情報メディア『Aune(鉅亨網)』は2025年11月15日、中国の半導体ファブ(ウェハー工場)についてのレポートを公開。分布状況や今後の見通しを示した。12インチ(300mm)ファブは、2024年の29拠点から2027年には71拠点に増加し、世界全体(239拠点)の約30%を占めると予想、生産能力の拡張ではグローバルの中心として、先進プロセス、特殊プロセス、ストレージウェハー技術への投資を強化しており、半導体製造における影響力を一層拡大していくとの見方を示した。


<半導体産業四大産業クラスター>
レポートでAuneは、中国では明確な役割分担を持つ四大半導体産業クラスターが形成されているとした。具体的には、長江デルタ(長三角)地区は上海と江蘇省無錫を中心に、ファウンドリのSMIC(中芯国際)やHuaHong(華虹)グループがロジックチップや特殊プロセスを展開しているとした。

珠江デルタ(珠三角)地区は広東省深センと広州を拠点に、ストレージや化合物半導体を生産し、コンシューマ向け電子機器や車載チップ需要に対応しているとした。

京津冀地区は先端技術の研究・開発(R&D)に注力しており、北京ではCXMT(長鑫存儲)のDRAM技術やSMICによる先端プロセスの実験を担当しているとした。

中西部地区は湖北省武漢、安徽省合肥、重慶がYMTC(長江存儲)やCXMTの大規模生産拠点になっていると紹介した。

レポートは、投資規模も拡大傾向にあるとし、2025年の上海臨港新片区では、進行中のハイテク系建設プロジェクト59件、投資総額5067億元(1元=約21.8円)のうち、3割以上が半導体関連で、中国国内におけるウェハー生産能力の拡張を支えているとした。

<300mm生産拡大プロジェクト>
さらに、半導体ファブ各社の300mmウェハー生産ライン生産拡大の状況についても紹介した。

■SMIC
北京:14nm(ナノメートル)先進プロセス
深セン:28nm以上の成熟プロセス、ウェハー生産能力・単月4万枚
京城(北京):12インチライン、投資額76億米ドル
西青(天津):12インチライン、月産10万枚、2026年に年産117万枚目標

■HuaHong

無錫第2期: 65・55・40nm車載チップ生産。投資額67億米ドル、2024年12月生産投入、2026年に月産8万3000枚

■北電集成
北京:12インチライン、28~55nmプロセス、投資額330億元、月産5万枚、2026年末に量産予定

<化合物半導体生産プロジェクト>
また、化合物半導体に対する投資も活発化していると指摘。主なプロジェクトは以下の通り。

■中国San'an(三安光電)・スイスSTマイクロエレクトロニクス(STM)
重慶:8インチSiC合弁工場。投資額230億元、年産48万枚、2025年第4四半期量産予定。

■広東芯粤能半導体
広州:車載チップ向け、投資額75億元、年産24万枚、2024年末稼働。

■海寧立昂
浙江省海寧:GaAs/GaNラインは、投資額50億元、年産36万枚、2024年12月に量産化

■長光華芯
江蘇省蘇州:光電子プラットフォーム、投資額10億元、化合物半導体光電ウェハー年産1億個

<特殊プロセスとストレージウェハ>
■YMTC
湖北省武漢:3D NAND型フラッシュメモリ(NANDフラッシュ)増産

■粤芯半導体
広州:第3期プロジェクト。投資額162億5000万元、車載・産業用、月産4万枚(180~90nm)、2024年12月に量産化。

■増芯科技
広州:第1期プロジェクト、投資額70億元、月産2万枚(55~130nm)、MEMSやASIC向け、2024年6月稼働

レポートは、これらのプロジェクトにより、中国の半導体製造製品体系は充実し、多様な市場ニーズに応える体制が整いつつあると指摘。2027年までに71拠点の300mmウェハー工場が稼働すれば、世界の半導体市場における中国の存在感が一層増すことになると評した。

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